弊害 harmful results 2005 8 27

 株式投資において、「逆指値注文」を禁止すべき時が、来ていると思います。
あまりにも、相場の価格形成において、弊害が目立ちます。
 逆指値注文とは、こういうことです。
たとえば、株を買いたい時に、370円で注文を出すとします。
これは、株価が、370円以下ならば、その株を買いますという意味です。
 しかし、これと逆の注文方法があるのです。
株価が、370円以上になったら、株を買うという注文です。
 これは、不思議な注文に思えるでしょう。
本来、株というものは、安く買いたいでしょう。
それなのに、なぜ、高く買うような注文なのか。
 それは、370円に、株式チャート上のポイントがあるからです。
株価が、370円以上になると、チャートが、きれいな形になるのです。
チャートの形が、きれいになると、多くの投資家が注目します。
そして、みんなが、その株を買うようになり、さらに株価上昇となるのです。
 こうした特殊な注文方法が、10人や20人ならば、問題なかったのですが、
これが、50人や100人になったら、どうでしょうか。
 大変なことになります。
50人や100人という「多数の投資家」が、同一行動を取ることになりますので、
同一行動の同一注文が、突然、大量に発生して、相場が、パニックになります。
 どうして、こうした問題に気づいたか。
それは、「日中の値動きを示す分足チャート」を分析して、わかったのです。
 仕手株ではないのに、普通の株なのに、
日中、あまりにも激しい値動きをする銘柄が目立ったのです。
 そこで、激しい値動きをした時点を調べてみると、
日足チャートや週足チャートの重要なポイントだったのです。
 こうしたポイントに気づいて、逆指値注文をする人が、10人ぐらいなら、よかったのですが、
そういう人が、50人や100人にもなると、
今まで、注文の数が穏やかだったのが、突然、大量の注文が発生し、
まるで、仕手株のように、激しい値動きをするのです。
 こうした逆指値注文が、「不自然な価格形成」の原因になっていると思います。
こうした特殊な注文は、大型株だけに制限し、中型株や小型株は、禁止すべきです。
中型株や小型株は、市場で、流通している株数が少なく、
少し、まとまった注文でも、急騰や急落をするからです。
 (追加)
 通常の指値注文では、実際の株価の動きを見ながら、
投資家が、適切な注文株価を判断し、入力します。
 適切な注文株価といっても、人間は迷いますから、
また相場の雰囲気に呑まれてしまいますから、
その注文株価は、適当に、バラバラな注文価格となります。
そういうわけで、自然な価格形成となります。
 しかし、逆指値注文では、事前に、コンピュータに、
条件を入力しておきますので、その条件が成立したら、
コンピュータが、自動的に、発注をすることになるのです。
 コンピュータが発注しますので、目にもとまらぬ速さで、
つまり、迷いなく、瞬間的に、注文が執行されます。
 これを、相場の動きで見ると、目にもとまらぬ速さで、株価が上昇します。
この速度は、ずっと画面に張りついているデイトレーダーでも追いつけない速度だそうです。
 人間の場合、判断し、キーボードで入力する時間がかかりますので、
コンピュータには、速度の点で、とても勝てないのです。
 これが、株価上昇なら、まだ、いいのですが、逆の場合もあります。
つまり、ある株価を下回ると、チャートの形が悪くなる場合です。
 この場合も、逆指値注文が可能ですので、
そういう注文が執行されますと、目にもとまらぬ速さで、株価が急落します。
 「損切りは、大切である」と聞きますが、
目にもとまらぬ速さで、株価が急落しますので、損切りをしている時間すらないのです。
 こうして、逆指値注文の対象となった銘柄は、仕手株でないのに、
ある株価になると、急激に上昇したり、急激に下落するのです。
 これを、画面で相場を見ている人間には、
「この株は、普通の株だったのに、いつの間にか、仕手株になったのか」と見えるのです。

































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